クリニカルクエスチョン(clinical question)の見つけ方

研究雑学

どうも、管理人のハル(@haru_reha)です。今回はクリニカルクエスチョン(clinical question)の見つけ方について、私の体験談を交えてお話しますね。

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クリニカルクエスチョン(clinical question)とは?

まず、クリニカルクエスチョンとは「臨床の中で生じる疑問」のことです。臨床現場で働いていると、疑問に感じることが色々とありますよね。

例えば

「この人に行っている筋トレは効果があるのだろうか」とか
「〇〇の疾患の人はどんな経過を辿ることが多いのだろうか」など

 

大きな疑問から小さな疑問まで様々なものがあると思います。この大小様々な疑問は全てクリニカルクエスチョンになります。そして、臨床研究の多くはこのクリニカルクエスチョンから生まれます。実際に研究を始めるときにはクリニカルクエスチョンをリサーチクエスチョンに変換し、より具体的な疑問へと進展させていきますが、初めは抽象的な疑問でOKです。

私のクリニカルクエスチョン

例として私が研究を行った時のエピソードを紹介します。

私は普段、肺がん患者さんを担当する機会が多いです。手術(肺切除術)を受ける方、化学療法を受ける方、末期の状態で積極的な治療は行わない方、などさまざまなフェーズの方を担当しますが、当院では手術を受ける全例に対して理学療法が処方されますので、手術を受ける患者さんを特に担当することが多いです。

手術を受けた患者さんはおおむね術後1~2週間くらいで退院できます。基本的には術後もとても元気に動くことができる方が多いのですが、中には息切れが強くなったりして術前ほど動けなくなってしまう方もおられるんですよね。

私が疑問に感じたのは「手術(肺切除術)を受けると、どれくらい体力が落ちてしまうんだろう」ということでした。すごくざっくりとしていますが、クリニカルクエスチョンはこれくらいの感じでOKです。「体力」という言葉は非常に抽象的ですが、これをどのように具体的に表現するのかはリサーチクエスチョンに変換する時に考えればよいことなので、今はこれくらいでいいのです。

クリニカルクエスチョンは尽きることがない

先程挙げたクリニカルクエスチョンに関して文献検索を行ったあと、リサーチクエスチョンに変換して、私は実際に研究を行いました。リサーチクエスチョンは「肺切除術後早期には術前と比較して6分間歩行距離は低下するのか」としました。

 

「リサーチクエスチョンへの変換」の詳細は別記事で書こうと思います。

 

そして研究を行った結果、手術前後で6分間歩行距離が低下することが明らかになりました。しかし、当然のことですがたくさんの限界(Limitation)がありました。

例えば、6分間歩行距離の低下は個体差が大きく、あまり変化がない人もいれば、大きく低下する人もいました。そして「6分間歩行距離が変化していない人と低下した人では予後が異なるのか」ということはこの研究からは分かりかねる点でした。

つまり研究を行ったことで新たなクリニカルクエスチョンが生じてきたわけです。ある疑問の答えを出したら、また次の疑問が生じてくるものです。クリニカルクエスチョンは尽きることがありません。初めは小さなクリニカルクエスチョンでも、研究を繰り返すことでどんどん深い所まで探っていくことができます。

まとめ

以上、クリニカルクエスチョン(clinical question)の見つけ方について、私の体験談を交えながら紹介しました。臨床で疑問に感じる点は個人によって全く異なると思いますが、そこは個性が出るところなので、自分の感覚に従えばよいと思います。

クリニカルクエスチョンはとにかく抽象的な疑問でOKです。みなさんはどんなクリニカルクエスチョンを持っているでしょうか。臨床現場で感じる小さな疑問を大切にしてきましょう。では、また。

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