私はなぜ論文を書きたいのか【臨床しながら研究する┃Researching Therapist】

研究雑学

こんにちは。管理人のハル(@haru_reha)です。今回は臨床で働く理学療法士(PT)である私が、なぜ論文を書きたいと思うのかをまとめてみました。

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論文を書くのは大変

研究初学者が論文執筆にたどり着くまでの過程はなかなか大変なものです。特に周りに研究や論文執筆経験のある人がいない場合はなおさらです。研究自体がそもそも時間のかかる作業ですし、研究初学者の場合だと「研究のいろは」がよく分かりませんので、色々なことに迷って非常に困ります。

また、今までに研究文化のなかった病院や施設で働いている場合は、職場の協力が得られにくいこともあると思います。実際、臨床で働くPTのうち、論文を書いた経験のある人とない人を比べると、圧倒的に後者の方が多い印象です(少なくとも私の周りではそうです)。

でも書いている人は書いている

論文執筆経験のある人は全体の割合でみると少ないですが、やはり書いている人はどんどん書いています。私が憧れている人たちは論文を書いている人が多いです。また、論文をどんどん書いている人は、その分野で活躍されている方が多いです。

もちろん、論文を書いていないからといって普段の臨床業務に支障が出るということはありません。論文を書いていなくても臨床能力が高い方はたくさんおられます。でも、論文を書くことで色々と良い点があると思うのです。

なぜ論文を書くのか

論文を書く理由は個人の価値観による所も大きいとは思いますが、私は以下の3つを考えています。

論文は臨床の報告書である

まず、論文には「臨床の報告書」としての役割があると思っています。理学療法を行うことで「こんな効果がありました」「こんなに良くなりました」と口で言うのは簡単です。しかし、それは主観的なものであり、それだけでは理学療法の効果を科学的に検証することはできません。

論文として文章や図表にまとめる作業は、口で言うのと比べて思考・論理の洗練が必要になります。論文を書くことで必ずしも科学的に検証できるとは限りませんが、少なくとも普段の臨床成果を謙虚に検討する機会にはなるかと思います。

私は性格的にやりっぱなしが嫌なタイプなので、何かを実行した際には、報告書を書いて初めて仕事が完了すると思っています。報告書をみんなに見てもらうことで情報を共有できますし、そうやって色々な人が書いた「臨床の報告書」を統合していくことで理学療法のエビデンス構築に繋がっていきます。

書くことで思考が整理される

「文章を書くこと」って思いのほか難しいです。口頭でのプレゼンは、表情とか、ジェスチャーとか、雰囲気とか、口調とかでなんとなく自分の言いたいことが伝わることが多いと思うのですが、文章で自分の言いたいことを伝えるには曖昧な思考では絶対に伝わりません。

私の感覚では、むしろ「書く」ことで思考が整理されていきます。初めは頭の中で考えていることが全く文章になりません。イメージではなんとなく分かっていることでも、文章としてカタチにすると全然分かっていなかった、ということが多々あります。

その状態って要は「正しく理解できていない」状態だと思うんです。そこから文章を何度も書き直していくと、少しずつ言いたいことがまとまってきて物事の理解が進みます。この作業を繰り返すことで、思考力がUPしていくように感じています。

自身の専門性が明確化される

また、論文を書くことで自分自身の専門性を明確化できるというメリットもあります。論文を執筆する過程では様々な知識をインプットしたり考察することが必要となりますので、必然的に該当分野の専門性が高まると感じています。

また執筆した論文はジャーナルやWeb上に(半永久的に)残るので、その人の成果として蓄積していきます。それは、その人がどんな分野に精通した人物なのかを知る指標の一つになります。学会発表のみでは正式な研究成果としては認識されませんが、論文(特に英論文)は成果としてしっかり残ります。

もちろん、論文以外のことも成果ではありますが、例えば「〇〇人の患者を治療した経験がある」と言うだけでは、実際にどんな治療をしてどんな結果であったのかは本人の「意見」でしかありません。論文としてカタチにすることで、どんな治療経験があるのか、治療成績はどうだったのか、ということを「事実」として示すことができます。

まとめ

以上、私が論文を書きたいと思う理由をご紹介しました。論文を書く意味は人によって異なっていて良いのではないかと思います。大事なのは自分がなぜ論文を書きたいのかを知っておくことだと感じます(逆に、書きたくなければ書かなくてもよい)。その理由が明確であればモチベーションも高く維持できますしね。では、また。

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