自分の研究を倫理委員会で審査してもらった時のお話

論文執筆ストーリー

管理人のハル(@haru_reha)です。今回は私が自分の研究を倫理委員会で審査してもらった時の経験談を書いておきます。研究に慣れている人からすると簡単なことかもしれませんが、周囲に研究経験者が少ない環境におられる方はなかなかとっつきにくい所ではないかと思います。倫理委員会の審査って実際どんなことをするの?と思っておられる方に読んで頂ければ幸いです。

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倫理委員会とは?

まず倫理委員会とは何かという話ですが、これは「がんナビ」さんで紹介されている文章を引用させて頂きます。

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」では、臨床研究には「独立かつ公正な立場に立った倫理審査委員会による審査」による承認が必要と定められています。倫理委員会とは、臨床研究を実施する施設の長(病院長など)が設置する独立した委員会で、患者さんが参加する臨床研究が倫理指針に基づいて適格に計画され実行されているかを判断し、臨床研究の実施の可否、継続の可否について施設の長へ意見を述べることを目的としています。臨床研究に参加する施設は倫理委員会を必ず設置しなくてはなりません。

引用:がんナビ
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/series/kenkyu/201809/557167.html

 

要するに、私たちは研究を始める前に研究計画を倫理委員会に提出し、適切な研究計画であるかを審査してもらう必要があるわけです。承認を受けて初めて研究を開始することができます。

どうやって審査を受けるのか?

私が所属する病院でも独自に倫理委員会が設置されており、私はそこで審査を受けることができました。倫理委員会が設置されていない病院や施設もあるかもしれませんが、その場合は日本理学療法士協会でも審査を行ってくれるシステムがあるので、PTの方はそちらを利用すると良いと思います。

私が倫理委員会の審査を受けたのは、現在書いている論文の研究計画を立てた時なので、2018年3月頃です。当院では3か月に1回のペースで倫理委員会審査が開催されています。委員会のメンバーは当院の医師、弁護士、一般の方など5名程度で構成されているようです。

審査の申込は、自分が受けたい倫理委員会審査の日から3週間前までに研究計画書審査申請書COI(利益相反)関連書類などを当院へ提出するようになっていました。研究計画書は特に決まった書式はなく、Wordを使って自分で作成する感じでした。その他の申請書などは書式が設定されており、それに従って作成しました。

 

研究計画書は

・研究課題名(タイトル)
・背景と目的
・対象と方法
・費用
・COI(利益相反)
・知的財産権
・データ管理
・研究者名と連絡先

の項目に分けて作成しました。

 

「背景と目的」や「対象と方法」については基本的には論文を書くのと同じように記載しました。むしろ論文を書く際にそのまま転用できるようにしっかり書いていた方が良いかと思います。

「費用」や「COI」については自分の研究では特に発生しませんでしたので、その旨を記載しました。「知的財産権」については帰属先が当院であること、患者さんには帰属しないこと、などを明記しました。

また「データ管理」については、データの連結不可能匿名化を行うことや、文書の保管場所・保管期間などを記載し、患者さんの個人情報漏洩には十分に注意する旨を記載しました。

あと、私の研究は後方視コホートであったため、オプトアウトの形式をとることにしました。オプトアウトというのは、研究の情報をどこか目につきやすい所(院内掲示板やHPなど)に掲示し、対象となる患者を明記し、もし研究に使われたくないと思う方がおられたら連絡を頂いて研究から除外するという方法です。

前向き研究の場合は、評価や検査を実施する前に研究参加の同意書をとる必要がありますが、後ろ向き研究の場合は同意書をとる代わりにオプトアウトがよく用いられます。当院の場合だとオプトアウトの書類をHP上に載せるため、それ用の書類も作成しました。

全ての書類を完成させた後、所属長(当院の場合だとリハ課長)の印鑑をもらって申込を完了させました。

どんな審査を受けるのか?

無事に申込が受理され、審査の日がやってきました。審査の日は平日ですが、私はたまたま休みの日だった(当院リハ課は365日診療なので平日休みあり)ので、少し憂鬱になりながら職場に行きました。

審査の部屋に入ると、倫理委員会の長(当院の医師)が上座に座っておられ、その両脇に2名ずつ委員の方が座っておられる状況でした。5名の前に置いてある椅子に座ります。雰囲気としては厳かな感じで、少しピリピリとした空気です。

椅子に腰かけると、すぐさま委員長が「では説明をお願いします」と声かけされました。突然だったので驚きましたが、気を取り直して研究計画書の概要を説明していきました。少し詳しく話しすぎだったのか「もう少し簡単な説明でいいですよ」と言われました…(汗)

 

*あとで委員の方に聞いたところ、基本的に委員の方は研究計画書を読んできておられるので、研究の簡単な概要と、自分が相談したい内容をお話しすれば良いとのことでした。

 

一通り説明を終えると、委員の方より二点質問を受けました。質問内容としてはアウトカムの比較方法についてと、オプトアウトの方法についてでした。これは特に指摘を受けたわけではなく、単に委員の方が疑問に思った点を質問されただけでしたので、普通にお答えして事なきを得ました。

計15分程度だったでしょうか。研究計画書の説明と委員の方からの質問を終えて、審査は終了しました。審査後、たしか1週間程度で「承認」の通知を頂くことができました。今回は特に修正点はありませんでした。

まとめ

以上、私が倫理委員会で審査を受けた時の経験談を書いてみました。本当にただの経験談になってしまったので、参考になるか分かりませんが…。倫理委員会は施設独自で設置されるようなので、施設ごとに書式や審査形式は異なるのかもしれません。ただ「研究目的を達成するために適切な計画が立てられているか」と「患者さんの個人情報や人権がきちんと守られるか」という点が問題となるのは共通ではないかと思います。

近年では、論文を投稿する際に倫理委員会による承認が必須である場合もあるようです。研究を始める際にはぜひとも倫理委員会の審査を受けるようにしましょう。

では、また。

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