私の研究体験談【臨床で働く理学療法士の研究の始め方】

研究雑学

どうも、管理人のハル(@haru_reha)です。今回は、私が研究を始めてから今に至るまでの経緯を簡単に書いてみました。体験談なので、参考程度に読んで頂ければと思います。

 

臨床で働く理学療法士の方で、研究に興味はあるけど、どう始めたら良いか分からないという方に読んでもらいたい記事です。もちろん他の医療従事者の方もどうぞ。

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はじめての研究

まず、私が最初に研究に携わったのは大学3~4年生の卒業研究でした。

 

私は某国立大学の理学療法学専攻出身で、参加させて頂いた研究室は動物実験を主に行っている所でした。

 

このころはあまり研究が好きにはなれませんでした。研究自体を舐めていたこともあり、動物実験における作業時間の多さに圧倒されましたし、統計解析も全く分かりませんでしたので、ただただ指導教官に言われるままに作業を行う感じでした。

 

研究についてよく分からないまま作業だけが続いていくような感覚に襲われ、正直とてもきつかったです。でも今考えてみると、ここで研究に携われたことが後に繋がっているのではないかと感じます。

病院に就職して臨床へ

大学卒業後にそのまま修士課程へ進学することも考えましたが、当時は早く働いてお給料をもらいたい!という気持ちが強く、結局地元の病院に就職して臨床現場に出ることになりました。

 

就職して1年はとにかく臨床業務をこなすのに精一杯でしたが、2年目くらいから少しずつ「臨床だけをしていてもなんか物足りないな・・」という思いが芽生えてきました。

 

ここは人それぞれの価値観だとは思うのですが、私は臨床業務だけを行っているとすべてがあやふやなまま時間が過ぎていくように感じたのです。

 

「新たな事実を発見する」というような大それた理由ではなく、私が行っている臨床業務はデータとして表すとどれくらいの効果が出ているのだろう?という単純に疑問から、研究をやりたい!という気持ちが高まってきました。

はじめての学会発表

2年目の終わりごろ、当時担当することが多かった肺切除術を受けた患者さんのデータを集めるようになりました。

 

といっても特別な評価指標などをとっていた訳ではなく、患者さんの基本情報・術式・離床状況などをカルテから情報収集していただけです。

 

とにかくまずはデータを集めて「現状を把握しよう」くらいのものでした。肺切除術を受ける人にはどんな特性の患者さんが多くて、当院の離床状況はどんなもんかな?という感じです。

 

そして集めたデータを使って、3年目で初めて学会発表を行いました。

 

この時の学会発表は、今考えると赤面するような簡単な研究でした。ただただExcelでt検定を行って、因果関係については考察のみで終了(論理の飛躍のオンパレード)という具合でした(笑)

 

でも「自分で集めたデータを人前で公表する」という行為を初めて体験し、自分の中でアドレナリンが放出されているのが分かりました。

 

個人的には、はじめての学会発表はこの程度で良いと考えています。本来なら事前に綿密な研究計画を立てて、新たな知見(something new)を提供しなければならないですが、やはり初めはそんなこと難しいのです。

 

それよりも、まずはデータを集めて、それをまとめてきちっとカタチにする、という作業を経験することが大事だと感じます。something newはそのあとに生まれてくると思います。

研究・統計学の独学開始

とにかくまずカタチにしてみると、そこから色々と解決すべき問題点が見えてきます。臨床的にもう少しこうした方が患者さんにとって良いのではないか、研究的にこうした方がもっとバイアスを取り除けるのではないか、などですね。

 

どんな研究にも必ず限界(Limitation)があります。「今回の研究ではここまで分かったけど、まだここは分かっていません」という感じです。単発の研究で終わらず、新たな課題に向けて次の研究に進めていくと良いと思います。

 

同じ分野で2~3回でも研究を続けていくと、最初の研究に比べると割と深い内容まで探っていけます。

 

あと、研究計画を詳しく立てずにデータ収集・解析を行うと、とにかく足りないものだらけになります。「あー、これを明らかにするためにはこんなデータも必要だった!」と何度も思いました。その経験が、研究計画の大切さを実感させてくれました。

 

そして、バイアスを取り除いていくためにはやはり統計学をしっかりと学ぶ必要があることも分かってきました。

 

初めて学会発表を行った後くらいから、統計学を独学で勉強し始めました。そしてたまたま参加した県士会の研修会でEZRの存在を知り、それからEZRを使い始めました。EZRの勉強は主に神田善伸先生の書籍と、新谷歩先生の書籍&動画(youtube)です。

 

おススメの書籍についてはこちらでまとめています。
おすすめ参考書籍

 

学会発表に慣れる必要があると思ったので、3年目~4年目くらいにかけては頑張って学会発表も行うようにしました(全部で8回くらい?)。やはり研究には慣れも必要で、何回も繰り返していると研究の初めから終わりまでの全体像が見えてきますので、研究計画を立てるのも上手になってきます。

 

また統計学の知識がついてきたことで、より発展的な研究デザインも組めるようになってきました。初心者のころは、とかく群間比較でしたが、多変量解析が使えるようになったことで背景因子の補正や因果関係の推測なども行えるようになってきました。

大学院修士課程への入学

しかし、職場には研究に詳しい人がいなかったので、独学で研究を学ぶには限界があるように感じてきました。

 

そこで5年目、職場で働きつつ近くの大学院修士課程に入学しました。修士課程では研究計画、データ収集、データ解析、学会発表、論文執筆の一通りの流れを勉強できますので研究基礎力が高まったように思います。

 

やはり一人で研究をしていると、どうしても視野が狭くなりがちです。大学院で論文を沢山書いている指導教員に研究を見てもらうと、一人では分からなかった様々なことに気が付くことができました(研究デザインのバイアス、図の見せ方、フォントの統一感など)。

 

2年間で無事に修士課程を修了し、現在は臨床8年目です。学会発表には大分慣れてきましたので、とにかく論文を書きたいと思っています。

 

学会発表のみだときちんとした成果・実績にはなりません。ある先生は「学会発表は川の流れのようだ」とも言っていました。学会抄録だけでは研究成果としては残らないんですよね。実績を作っていくためにはとにかく論文としてカタチに残すことが大事なんです。

 

論文を書く力はまだまだですが、これもやはり慣れなのかな、と感じています。まずは今年度中に英語論文を1本投稿することを目標に頑張っていきたいと思います。いずれは博士課程にも進学したいな、と考えております。

 

以上、ただ体験談を書くだけになってしまいましたが、もし参考になるという方がおられたら幸いです。あくまで私の体験なので、必ずしもこれが正解という訳ではもちろんありません。

 

本記事をお読み頂きありがとうございました。当ブログではシロート統計学講座という初心者向けの統計学講座を公開しています。初心者が基本的な統計解析を行えるようになるまでの道筋を分かりやすく説明していますので、興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。>>>シロート統計学講座TOP

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