シロート統計学講座 其の5
「其の4」では統計解析の種類を見分けるために必要な統計学用語を説明しました。今回は、その用語の知識をさらに定着させるために、確認テストをやってみましょう!私がお題を出しますので、どの統計解析を使えばいいのか考えてみてくださいね。
▼其の4がまだの方はこちら▼

第1問
ではさっそく第1問です。
この場合、①~⑥のどの統計解析を使えばいいでしょうか。
②対応のある2群間の連続変数を比較する
③独立した2群間の比率を比較する
④対応のある2群間の比率を比較する
⑤独立した3群以上の間の連続変数を比較する
⑥対応のある3群以上の連続変数を比較する
最初の問題なので、ヒントを出しながら一緒にやってみましょう。
まず、A群とB群に分けているので2群間の比較ということが分かりますね。この2群は独立した2群でしょうか、それとも対応のある2群でしょうか。

独立した2群は「全員が別々の人でデータを取る場合」、対応のある2群は「同じ人から2回データを取って前後比較する場合」でしたね。
次に、比較するデータの尺度は何なのか考えてみましょう。今回は握力の平均値を比較していますね。握力は数値で表されるデータです。

数値で表されるデータは連続変数と呼ばれていました!
ここまでくればもう答えは分かりましたね。
となりますね。正解できましたか?
第2問
では第2問です。
この場合、①~⑥のどの統計解析を使えばいいでしょうか。
②対応のある2群間の連続変数を比較する
③独立した2群間の比率を比較する
④対応のある2群間の比率を比較する
⑤独立した3群以上の間の連続変数を比較する
⑥対応のある3群以上の連続変数を比較する
先ほどと同じように考えてみてください。
●独立した群か、それとも対応のある群か?
●何群間の比較なのか?
●データの尺度はなにか?
分かりましたか?
答えは最後に出しますね。
第3問
続いて第3問にいってみましょう。
この場合、①~⑥のどの統計解析を使えばいいでしょうか。
②対応のある2群間の連続変数を比較する
③独立した2群間の比率を比較する
④対応のある2群間の比率を比較する
⑤独立した3群以上の間の連続変数を比較する
⑥対応のある3群以上の連続変数を比較する
これも同様に考えてみましょう。
●独立した群か、それとも対応のある群か?
●何群間の比較なのか?
●データの尺度はなにか?
第4問
では最終問題です。
この場合、①~⑥のどの統計解析を使えばいいでしょうか。
②対応のある2群間の連続変数を比較する
③独立した2群間の比率を比較する
④対応のある2群間の比率を比較する
⑤独立した3群以上の間の連続変数を比較する
⑥対応のある3群以上の連続変数を比較する
これは少し難しく感じますかね?
でも考え方は一緒です。
●独立した群か、それとも対応のある群か?
●何群間の比較なのか?
●データの尺度はなにか?
答え合わせ
お疲れさまでした。それでは答え合わせをしてみましょう。
<第2問>
サンプルは全員別々の人物である:独立
さくら組とうめ組の2群間である:2群間
性別は名義変数である:比率の比較
<第3問>
同じ人物から2回評価を行う:対応のある
手術前・手術後の2群間である:2群間
体重は連続変数である:連続変数の比較
<第4問>
同じ人物から3回評価を行う:対応のある
1月・6月・12月の3群間である:3群以上
MMTは順序変数である:連続変数の比較(ここは後の章で詳しく!)
どうでしたか?
まだしっくりこないという方は「其の4」をもう一度ご確認ください。

無事に正解できた人は「其の6」に進みましょう。

コメント