理学療法士が統計学を学ぶ理由

シロート統計学講座

深KOKYU(シンコキュウ)では新たなコンテンツとしてシロート統計学講座を立ち上げました。今回は「其の1」です。現時点では「其の29」までのシリーズとなっています。

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シロート統計学講座の目的

この講座はシロートによる、シロートのための統計学講座です。

 

統計学初心者の方を基本的な統計解析が実施できるレベルまで導くことを目的とします。統計学のシロートである私が7年間で学んできた統計学の基礎知識から実践方法までのノウハウを分かりやすくお伝えします。

 

私は、初心者が統計学を学ぶ際にはあまり細かいことまでは理解しなくて良いと思っています。統計解析の計算はすべて統計ソフトがやってくれるので、私たち初心者は「どんな統計解析の方法があって、どんな時にどの方法を使えばいいのか、どのように結果を解釈するのか」を理解することが先決です。

 

ですので、余計な所は省いたシンプルな内容をお伝えしていきます。統計学について無知だった頃の自分でも理解できるように、なるべくかみ砕いて説明していこうと考えています。

 

使用する統計ソフトはEZR(イージーアール)という無料のソフトです。費用は全くかかりませんのでご安心ください。EZRは臨床で働く医療者にとっては救世主のような存在です。

 

独学では全体像をつかむのに時間がかかる分野なので、私が統計学を勉強し始めた7年前にこのようなブログがあればよかったのに・・と思います。この講座は、皆さんが統計学を勉強するはじめの第一歩としての立ち位置になれば幸いです。

 

統計学を学び始めたきっかけ

私は普通の理学療法士であり、統計学の専門家ではありませんが、かれこれ独学で7年間、統計学を学んできました。

 

学び始めたきっかけは、初めて学会発表をした時のことでした。今考えれば簡単な後方視的観察研究なのですが、あの頃は何もかも手探りの状態で、統計解析については右も左も分からない状況でした。

 

教科書を頼りにしてExcelt検定を行う方法をなんとか調べましたが、二つの群でただ平均値を比較するだけという、ショボい研究だったと思います…(笑)

 

ネットや教科書には統計学の専門家が書いた情報がごまんとありますが、難しすぎてほぼ理解できませんでした。。そもそもt検定って何!?」というレベルでした。

 

また、統計解析を行うためには統計ソフトが必要ですが、SPSSなどのソフトは非常に高価で、とても個人で手が出せる代物ではありませんでした。

 

それ以来、統計学の初心者が手軽に統計解析を行えるようにならないだろうかと考えるようになり、ネット上に散在している情報を集めたり、セミナーに参加したりして、手探りで統計学の勉強をするようになりました。

 

そして、7年かけてようやく理学療法分野で学会発表や論文執筆をするために必要な医療統計を実施できるようになってきました(もちろん理学療法分野以外でも適応可能です)。

 

統計ソフトに関してもEZR(イージーアール)という無料統計ソフトの存在を知ることができました。

 

勉強してきて気が付いたのですが、臨床で働く理学療法士(その他医療職も含む)や統計学初心者が欲しいのは、統計学のシロートが統計解析を行えるようになるための実践的な情報だと思います。

 

いきなり統計学の専門家による説明を見ても、初心者はなかなか統計解析を行えるようにはならないんですよね。私自身、数学が苦手ですので統計解析に使われるような数式の類はあまり分かりません…

 

でもきちっと順を追って学んでいけば、統計解析は誰でも実施することが可能なんです。

理学療法士が統計学を学ぶ理由

そもそもなぜ理学療法士が統計学を学ぶ必要があるのでしょうか?

私が考える統計学を学ぶメリットは三つあります

研究の質が高まる

一つは「研究の質が高まる」ことです。

 

統計解析の目的は

前提として様々なばらつきが存在する状況のなかで、限られた標本から母集団を推測し、より一般的な結論を導き出そうとすること
参考 EZRでやさしく学ぶ統計学(P1)

とされています。

 

人間は自分の経験に基づいて感覚的にものごとを判断しがちですが、統計解析を用いることでデータを客観的に判断できるようになります。

 

また統計解析の知識を得たことで研究計画を立てやすくなったと感じます。統計学を学ぶことで質の高い研究ができるようになり、学会発表や論文執筆が楽しくなります。

 

論文を読むときにもデータの信憑性がどの程度なのかを判断する助けになります。論文を鵜呑みにするのではなく、批判的に読むことができるようになるので、リテラシーが高まります。

 

臨床にも好影響をもたらす

二つ目は「臨床にも好影響をもたらす」ことです。

 

統計学を学ぶメリットは研究領域のみで有効なものではなく臨床での評価や考え方にも良い影響を与えてくれます。

 

「統計学を学ぶ」ということは「数値(評価)を比較する方法を学ぶ」ことです。患者さんを評価するときに、どのタイミングで、どんなoutcomeをとって、どう比較していくのかを無意識のうちに考えるようになりました。

 

また、自分の評価にもかなりバイアスが入っていることに気がつき、慎重に評価を行うようになりました。現在は統計学を学ぶ前と比べて、少しは客観的に患者さんを評価できているのではないかと思います。

 

キャリアアップに繋がる

三つ目は「キャリアアップに繋がる」ことです。

 

大学病院などを除けば、臨床で働いているほとんどの理学療法士は統計学については豆粒ほどの知識しか持っていません。知っている風な人でも、深く話してみるとあんまり知らなかったりします。論文をよく読んでいる人でさえ、統計解析については流し読みしている場合も多いです。

 

つまり統計学を知っていること自体が他の理学療法士との差別化になります。

 

これってチャンスだと思いませんか?もし職場で統計学に詳しい人がいなければ、あなたが第一人者になれる可能性が高いです。

 

私も最近は研究初心者に統計学の簡単な講義を行うことが増えてきましたし、嬉しいことにたまには学会で賞を頂けるようにもなりました。統計学を学んだことで確実に自身のキャリアアップに繋がっていると感じます。

 

まとめ

当講座ではあなたを基本的な統計解析が実施できるレベルまで導きます。統計学の勉強に挫折したことがある初心者の方も、もう一度勉強し直してみませんか?ぜひ私と一緒に統計学の勉強をスタートさせましょう。

▼其の2へ続く▼

統計学の初心者が最初にすべきこと
シロート統計学「其の2」

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