統計検定2級合格の感想と対策

統計学の基礎知識

ようやくこの記事を書ける日が来ました。

2020年12月25日に統計検定®2級を受験し、無事に合格しました!!

ここまで、本当に長く険しい道のりでした。

試験に合格した感想と対策を、忘れないうちに記しておきます。

統計学独学者に役立つことを祈って…

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統計検定®2級の率直な感想

まず、私が受けたのは、統計検定®2級のCBT方式による試験です。

CBT方式というのは、会場でパソコンを使って統計検定を受験できるシステムです。

この方式であれば、わざわざ遠方の会場に行かずとも、自宅近くの会場で好きな日に受験することが可能です。

公式ホームページ内に、受験に対応している会場が記載されているので、自分が受験したい会場に申し込みましょう。

 

さて、試験の率直な感想ですが…

「めちゃくちゃ難しかった!」というのが正直なところです。

試験終了後の手ごたえは全くありませんでした…(本気で落ちたと思いました)

全部で35問程度あり、それを90分で解くのですが、まず圧倒的に時間が足りません。

少し考えれば解けそうな問題を先に解き、時間がかかりそうな問題は飛ばして後で解こうと考えていましたが、それでも時間が足りず、ラストの問題を残り10秒くらいで解き終える感じでした(心臓バクバク笑)

パソコン画面の左下に残り時間が表示されるのですが、その時間が少なくなっていくことに恐怖を覚えます…!

あと、初めに説明文がついている問題が多いのですが、その文章が長くてややこしいです。実は文章の情報を使わなくても解けるという問題が少なからずありました。

長い文章の問題は一見難しく見えますが、実はシンプルな知識さえあれば解ける問題かもしれません。説明文の前に問題を見てしまう方が効率が良さそうでした。

 

あと、試験が終えて思ったことは「もっと大きめの電卓を用意すればよかった」という点です。

統計検定®では電卓の持ち込みが可能です。私は小さい電卓(カードくらいのやつ)を持ち込みましたが、打ち間違えが多いですし、片手で打つことも難しいので、時間をロスしました。人目は気にせず、大きくて打ちやすい電卓がおススメです。

90分の試験が終了すると、その場でパソコンの画面上に試験結果が表示されます。「合格」の文字が見えたときはさすがにガッツポーズが飛び出しました。

統計検定®2級に合格して得られたこと

なんとか無事に統計検定®2級に合格できたわけですが、試験勉強を通して得られたことがいくつかありました。

区間推定の理論・方法を理解できた

まず、私が一番よかったと思うのは「区間推定の理論・方法を理解できた」ことです。正直、統計検定2級の勉強をするまでは区間推定の意味をよく理解していませんでした。

EZRで解析を行う中でも「95%信頼区間」という言葉がよく出てきますが、以前はなんとなくしか見ていなかったんですよね。

しかし、統計学(特に推測統計)においてはこの「信頼区間」がとても大事ということが分かりました。

簡単に言うと、推測統計とはサンプル(標本)から母集団を推測するわけですが、ピンポイントでの推測はなかなか難しいので、ある程度の幅を持たせて推測するのです(この辺はまた別記事で説明したい所です)。

基本的な所ではありますが、統計学の根幹となる理論・方法をしっかりと理解できたことは良かったと思います。

検定の理論・方法を理解できた

また、検定の理論・方法を理解できたことも良かったです。

例えば2群間の平均値を比較する「t検定」がありますが、統計ソフトでt検定を実施すると瞬時に結果が表示されます。しかし、その一瞬の中で結構複雑な計算が行われているんですよね。

統計ソフトを使うと魔法のような検定に思えるのですが、t検定にも理論があって、母集団を推定するための計算が順を追って行われています。

理論的な所を理解すると「そもそもt検定が相応しいのかな?」とか「t検定で推定される95%信頼区間はこれくらいなんだなあ」など、着目する点が以前と少し変わったように思います。

そのほかにも、相関係数の求め方とか、分散分析の理論(これがややこしい!)など「普段使っている解析はこのようにして行われていたのか!」という発見が多々ありました。

数字に強くなった

3つ目は単純に「数字に強くなった」という点です。

普段、電卓ってそんなに頻繁に使わないですよね(笑)

でも統計検定®の試験では、電卓を使ってゴリゴリと計算を行わないといけません。例えば、さきほどのt検定とか、相関係数とか、分散分析だとかも、全部電卓で計算できるのですよ(なんか感動!!)

データ解析を趣味にする者(⇐)としては、やはり数字に強くなることは必須の条件だと思います。もちろん統計ソフトを使えば計算は一瞬で出来るのですが、計算方法がある程度イメージできる方が結果の解釈はしやすいかな~と感じます。

統計検定®2級合格のための対策

私なりの試験対策についても書いておきます。

(すべての人に当てはまるわけではないと思うので、参考までに)

 

前提として、私の環境は以下の通りです。

・30代前半
・使える時間帯は基本夜のみ(子どもが寝た後)
・大卒、修士卒(統計学とは関係ない学部)

・数学苦手

私が統計検定®2級を志したのは2018年の終わりごろだったと記憶しています。

しかし、その間にずっと勉強していたわけではありません。最初に統計検定®公式の教科書過去問を購入したのですが、どこから手をつけてよいのか分からず、なかなか勉強を始められないでいました。

ウジウジしている間に1年以上が経過してしまい、本格的に勉強を始めたのは2020年9月頃でした(おそい!)

取り組んだ内容は、端的に言うと以下の3つになります。

POINT

①「完全独習 統計学入門」を読む

②統計webを2周繰り返す

③過去問を解く

「完全独習 統計学入門」を読む

まず「完全独習 統計学入門」(ダイヤモンド社、著:小島寛之)を読みました。この本は以前に一度読んだことがあったのですが、再度読み返しました。

有名な本なのでご存知の方が多いかもしれませんが、この本はすごく良いです。統計学とはどのような学問なのかが、これ以上ないくらいにシンプルに説明されています。

特に区間推定については平均値と標準偏差の話を織り交ぜながら分かりやすく書いてあるので、すっきりと理解していけます。

細かな内容を見る前に、この本を一度読んでおくと、統計学の根幹が掴めるのでその後の勉強がはかどります。逆に言うと、この本に書いてある内容を理解せずに各論の勉強を始めると、本当に路頭に迷ってしまうのではないかと思います。

そのほか、統計学の概要を掴むためにはヨビノリたくみ先生の動画も非常に役立ちます(マジで説明うますぎますし、時折ジョークも入っていて聞きやすいです笑)

統計webを2周繰り返す

次に統計webの「統計学の時間」を2周繰り返しました。統計webは、統計学に関するウェブサイトの王様ですね。

統計webの「統計学の時間」というコンテンツは統計検定®2級の範囲が網羅されていて、とにかくめちゃくちゃ分かりやすいです。STEP0、STEP1、STEP2に分かれていますが、メインはSTEP1です。

STEP1を、練習問題も含めて2周()繰り返しました。1周目はゆっくりと理解しながら読んでいく感じで、2周目は分からなかったところを中心に素早く読んでいく感じで取り組みました!

私は以前に1周は読んだことがあったので、それを含めると3周していることになります。結構なボリュームがあるので、3周くらいは必要かもしれません…

統計webを繰り返し読んで理解していくことが、統計検定®2級をクリアするために非常に重要だと感じます。これによって統計検定®2級の全体像がつかめます。

過去問を解く

①、②が終わったら、最後は過去問に取り組みました。

解いたのは2018年11月、6月、2017年11月・6月計4回分です。

やはり過去問を解くのも重要だと感じました。

まず、試験のボリューム感が分かります。90分で35問程度を解くのは結構大変です。1問1問にあまり拘らず、分かる問題から手早く解いていく感覚が必要です。必ず時間を測りながら実施するとよいと思います。

あと、統計検定®の問題の「クセ」のようなものもある程度掴めると思います。「この分野がきたらこういう解き方なんだな」という感覚がなんとなく分かりました。

例えば、「正規分布ときたら、標準化して区間推定だな」とか、「○○という条件のもとで△△の確率は?ときたら、ベイズだな」みたいな感じですね。

過去問を解き終わったら、分からなかった問題を確認していきます。過去問の回答でも良いですし、統計webでの解説吉田先生のブログも参考になりました。

そして粘り強く理解する

基本的には上記の①~③を行うことで勉強していくことができました。ただ、簡単そうに書いていますが結構大変で、内容を理解するまでには時間がかかりました。

覚えたいところは紙に書き出したり、統計webの進捗状況を記録したりと、色々工夫しました。

初見では全く理解できなくても、他の分野を勉強する中で少しずつ内容がリンクしてきて、気が付いたら理解できている、ということも多々ありました。

大事なのは粘り強く勉強し続けることかと思いました!

統計解析®2級はこんな方におすすめ

さて、統計検定®2級ですが、私のように「統計学の勉強を方法論から始めた人」におすすめだと思います。

シロート統計学講座でも書いている通り、統計学は方法論から入った方が勉強を進めやすいと私は感じています。

やっぱり統計学の理論的な所ってとっつきにくいですし、理論⇒方法論と進めようとすると、方法論に一生たどり着けない気がします…。なんだかんだで研究に必要なのは方法論であったりもしますし。

ただ、方法論オンリーで進めていくと、どうしても根底が理解できていないので、結果を自分で上手く説明できなかったり、なぜその解析を行ったのかがいまいち分からないといった状況が生じてきます。

まずは方法論を学んである程度実践できるようになった方で、その次のレベルに進みたい方(方法論オンリーからの脱却!)は統計検定2級にチャレンジする価値があるのではないでしょうか。

私自身は、統計検定®2級を受けて本当に勉強になったと感じました。

以上、統計検定®2級合格の感想と対策について書きました。

コメント

  1. […] ・統計検定2級合格の感想と対策 2020年12月/- […]

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