間質性肺炎の理解を深める

呼吸リハビリテーション

こんにちは。管理人のハル(@haru_reha)です。

今回は「間質性肺炎」の基礎知識と、普段私が臨床で感じることを書いていきたいと思います。間質性肺炎は急性期病院での呼吸器病棟では遭遇する機会が比較的多い疾患ですので、しっかりとまとめていきます。

 

間質性肺炎とは?

さて、間質性肺炎とはそもそもどんな病態のことを指すのでしょうか?

間質性肺炎は次のように定義されています。

このように間質性肺炎とは正確には病名ではなく総称になります。

病棟で患者さんの話をするときは「あの患者さんは間質性肺炎で入院しました」などのように病名として扱うことが多いですが、実はそうではないのですね。

例えば「風邪」も病名ではありませんが、似たような感染症をまとめて「風邪」と呼びますよね? それと似たような感じで「間質に炎症が生じた疾患」をまとめて間質性肺炎と呼ぶのです。

間質性肺炎を起こすと、乾いた咳や動作時の呼吸困難感が出現します。間質性肺炎の患者さんをリハビリテーション(運動療法)を行っていて感じるのは、とにかく動作時のSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)の低下が大きいということです。

症状が進行した患者さんでは高濃度の酸素吸入を行っておられる方も多いですが、8~10L/分の酸素を吸入していたとしても、少し歩いただけでSpO2が70%台に低下することもよく見かけます(SpO2は正常値が95%以上で、低下すると呼吸困難感が生じます)。

根治治療はなく、対症療法が中心となります。急性増悪を予防するために禁煙などの生活習慣改善を図り、うまく付き合っていく必要があります。

 

間質とは?

間質とはいったいどの部分を指すのでしょうか?

間質=肺胞上皮細胞下の基底膜、およびそれより外側の結合組織、毛細血管などを指す

簡単に言うと下の図のようになります。

いわゆる一般的な肺炎は肺胞内肺炎と呼ばれ、右の図のように肺胞の中で炎症が起きます。

一方で間質性肺炎は左の図の赤い線で示した部分に炎症が生じます。

間質に炎症が起こることで線維芽細胞の増殖や線維化をきたしてしまい、間質が固くなってしまいます。

間質が固くなると肺が膨らみにくくなり、肺活量が低下したり、酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかなくなったりしてしまいます。

 

間質性肺炎の分類

では間質に炎症が生じる疾患はどのようなものがあるのかをみてみましょう。それは以下の3つに分類されています。

このように、間質に炎症が生じる原因は主に3つあり、1つ目は特発性(原因不明)、2つ目は放射線治療によるもの、3つ目は薬剤によるものです。

私は肺がんで放射線治療や抗がん剤治療を受けておられる患者さんを担当することもありますが、時々治療のなかで間質性肺炎を合併してしまう患者さんに遭遇します。がんの治療を目的としているのに間質性肺炎を合併するって辛いですよね・・。

でも現状ではそれが現実です。放射線治療や抗がん剤治療を受ける際には、主治医から合併症のリスクについて十分に説明をしてもらう必要があります。

放射線や薬剤によるものは原因が特定できますが、特発性は原因不明とされています。特発性間質性肺炎のなかでも特に多く、典型的なものが特発性肺線維症とされています。

この特発性肺線維症は最も多いので、間質性肺炎と特発性肺線維症はほぼ同義に用いられることもあります。

 

特発性肺線維症の特徴

特発性肺線維症の特徴は以下の通りです。

私の実感としても、特発性肺線維症で入院される方は50才以上の男性が多いです。乾いた咳や労作時呼吸困難感については初めに述べたとおりですが、その他にも聴診で捻髪音(fine crackles)を聴取することや、肺機能検査で拘束性換気障害を示すこと、また胸部CTで蜂巣肺を認めるなどの特徴があります。

捻髪音とは聴診器で呼吸の音を聞いたときに「バチバチ」というような音がするものです。間質が固くなっているので、吸気によって肺が広がるときに「バチバチ」と音を立てると言われています。

拘束性換気障害とは間質が固くなることで肺の広がりが悪くなり、肺活量が低下してしまうことです。具体的には%肺活量が80%未満になると拘束性換気障害と言われています。%肺活量とは計算式によって求められた肺活量の基準値のうち何%の肺活量があるか、ということを示しています。

また胸部CTなどみると蜂巣肺を認めます。蜂巣肺とは文字通り「ハチの巣」のような見た目を示します。これは間質性肺炎に特徴的な所見です。

まとめ

間質性肺炎の分類や特徴についてをまとめました。間質性肺炎は上述のとおり根治治療がなく、ステロイド治療やリハビリテーションが主な治療となります。急激に症状が進行する場合もあり、筋力的には問題はないが息切れが強くて動けないという方が多い印象です。

酸素吸入や息切れが生じにくい動き方を練習するなどして、なんとか日常生活活動を維持できるようリハビリテーションを行っていきます。間質性肺炎に対するリハビリテーションについてはまた後日記事にしていきたいと思っています。

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