こんにちは。管理人のハル(@haru_reha)です。今回は2群で比率を比較する場合に、その比較がどの程度の検出力なのかをEZRで計算する方法をご紹介します。つまり、比較の信頼性を調べることができます。いつもの如く、αエラー、βエラー、検出力などの単語の意味が分からない場合は先に↓を読んで下さいね。
2群で比率を比較する場合の例
今回も例を挙げて考えてみましょう。
クラスAは40人のうち60%は男性、クラスBは50人のうち80%は男性である。クラスAとクラスBの男性の比率を比較する場合の検出力は?
では実際にEZRで検出力を計算してみましょう。
EZRで検出力を計算する
まずEZRを起動してください。
そして「統計解析」→「必要サンプルサイズの計算」→「2群の比率の比較のための検出力の計算」を選択します。
クラスAの男性の比率は60%でしたので、グループ1の比率は「0.6」、クラスBは80%なのでグループ2の比率は「0.8」と入力します。またグループ1のサンプルサイズは「40」、グループ2は「50」と入力します。あとは基本的にそのままでOKです(一番下のカイ2乗検定の連続性補正は、Fisherの正確検定を使うときは「はい」、カイ2乗検定を使うときは「いいえ」を選択してください)。
そしてOKをクリックすると結果が表示されます。
今回の例では、検出力は0.449(44.9%)であると分かりました。検出力は(1-βエラー)ですので「本当に差がある時に差があるとする確率」を表します。つまり、検出力が高いほどβエラーを起こす確率が低くなります。
必要サンプルサイズを計算する時には一般的に検出力80%に設定されますので、今回はやや低めの検出力でした。もう少しサンプルサイズが大きい方が信頼性のある結果になると考えられます。
まとめ
以上、EZRを使って2群の比率の比較のための検出力を計算する方法をご紹介しました。これが出来れば、必要サンプルサイズを計算せずにデータを集め始めた場合などに検出力のチェックを行うことができます。あと、論文を読んで「この比較の信頼性はどれくらいなんだろう?」と疑問に感じた際には結果から計算することも可能です。
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