息が吐けなくなる!?タバコの煙が原因で起こるCOPDとは?

呼吸リハビリテーション

 理学療法士のハルです。今回は肺の病気に関する基礎知識としてCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気について説明します。COPDは肺の病気のなかでは最もメジャーな病気の一つです。なるべく簡単な言葉を使って、分かりやすく解説したいと思います。

  COPD ‟シーオーピーディー“ と読みます
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COPDの概要

COPDはchronic obstructive pulmonary diseaseの頭文字をとった略語であり、日本語では〝慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)″と呼ばれています。

主にはタバコの煙を長期吸うことで肺に炎症が生じる疾患で、息が吐きにくくなって、動いた際に強い息切れを感じるようになります。

タバコの煙を吸うことで、肺の中で酸素と二酸化炭素の交換を行う肺胞が破壊されたり、空気の通り道である気管の壁が厚くなったり、痰の量が増えたりします。

その結果、呼吸の際に酸素の取り込みが悪くなったり、空気を吸ったり吐いたりすることが難しくなります。COPDでは特に息を吐くことが困難になると言われています。

肺胞と気管が障害される割合はさまざまであり、肺胞が主に障害されている病変を気腫優位型、気管が主に障害されている病変を気道病変優位型と言います。

COPDの症状

特徴的な症状は運動時の息切れ、慢性的な咳・痰です。しかし、早期では出現しないこともあります。COPDは進行性の病気であり、少しずつ息切れや咳・痰などが強まってきます。息切れが進行すると活動性が大きく低下し、常時酸素吸入が必要となることもあります。

また病気の進行により、肺以外にも影響が出てきます。特に息が吐きにくくなることで肺の圧が高まり、心臓に負担がかかる肺性心(はいせいしん)を生じてしまった場合は予後が悪くなります。

その他にも、息切れによって呼吸に使うエネルギーが大きくなったり、炎症が全身に広がったりすると栄養状態が悪くなり、徐々に体が痩せてきてしまいます。また、COPD患者では高い頻度でうつ傾向や不安があるとされています。

COPDの疫学

日本人一般集団の疫学調査では、COPDの有病率は8.6%、40才以上の約530万人と推定されています。治療を受けているのは氷山の一角であり、診断されていない多くのCOPD患者がいると考えられています。

COPDの検査

呼吸機能検査

スパイロメーターを使って吸い込みと吐き出しの空気量や気流の速度を測定する検査です。COPDの診断に必須の検査になります。呼吸機能検査では肺活量や1秒量(1秒間で吐ける空気の量)などを測定しますが、COPDの診断では1秒率という項目をみます。

1秒率とは、肺活量に対する1秒量の割合であり、1秒間で肺活量の何割の量を吐くことができるかを示します。1秒率が高いほど、息を速く吐くことができることを意味します。

通常では1秒率は70%以上です。つまり肺活量が3000mlの人であれば、1秒間で2100mlは吐き出すことができるということです。

COPDでは気管が狭くなって、息を吐きだすことが難しくなるため、1秒率が70%未満となってしまいます。

画像診断

胸部X線写真(レントゲン)や胸部CT検査で、肺の画像診断を行います。この検査により肺胞や気道がどの程度障害されているのかを把握することができます。やや専門的となりますが、COPDの人では通常よりも肺が大きくなったり、心臓が小さくなったり、ブラと呼ばれる大きな嚢胞が形成されたりします。

血液ガス検査

血液ガス検査とは、血液中の酸素や二酸化炭素の量をみる検査です。COPDの人では通常よりも酸素の量が少なくなったり、二酸化炭素の量が多くなったりします

心エコー

超音波を用いて心臓の動きや圧の大きさをみる検査です。COPDが進行すると、肺の圧が高まって、最終的には心臓に負担がかかってくるため、その程度を把握するために行います。

COPDの原因

最大の原因はタバコの煙であると言われています。これは喫煙者だけでなく、その煙を周りの人が吸ってしまう受動喫煙も含まれます。しかしCOPDを発症するのは喫煙者の一部であることから、遺伝因子もあるのではないかと考えられています。タバコ以外の要因としては大気汚染やアスベスト等の吸入なども挙げられています。

COPDの治療

・禁煙

・薬物療法

・呼吸リハビリテーション

・酸素療法        など

 

以上、COPDについて説明しました。COPDに対する呼吸リハビリテーションについては後日記事を書く予定ですので、そちらをご参照頂ければと思います。

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